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ブレインテックの小型デバイス続々登場 12-8-2021ニュースダイジェスト

ブレインテックの小型デバイス続々登場 12-8-2021ニュースダイジェスト

ここ最近、個人的に気になった世界のテクノロジー関連ニュースを集めました。この記事は、会員向けの限定公開記事です。一部未確認のうわさや個人的見解を含みますので、一般公開はご遠慮ください。

ブレインテックの小型デバイス続々

多分にスマートフォンの普及のおかげだと思うけど、小型デバイスの製造技術の進化がハンパない。その結果、安価で優れたブレインテックデバイスが次々と登場している。
この動画は、ブレインテックデバイスおたくの医師がやっているYouTubeチャンネルの最近のエピソードだが、ブレインテック のいろいろな領域でのベストデバイスを解説してくれている。
瞑想の領域ではMuse。性能が一番ということではなさそうだが、Museを利用したサードパーティ開発の脳波解析アプリなどが出てくるなど、開発者とユーザーのコミュニティが出来上がっている。
仕事のパフォーマンスを上げたり、スポーツ選手がフロー状態に入るためのデバイスとしては、Locus Calmがいいらしい。また研究用にはKernel Flowを勧めている。
やはり大事なのは開発者とユーザーのコミュニティ。コミュニティにはいろいろな知見が集まるし、開発者とユーザーに愛されている製品は、優れた後発機器でもなかなか追い抜けないからだ。
海外では瞑想の市場が立ち上がっており、巨額の投資を集めるベンチャー企業も出てきているが、日本では市場が立ち上がるのにはまだしばらくかかりそう。一方で、仕事のパフォーマンスを上げるようなデバイスの市場が、日本では先に立ち上がるかもしれない。

ディアマンディス氏絶賛、Neuralink超えのBCIベンチャーParadromics

シンギュラリティ大学の創始者でベストセラー「2030年 すべてが加速うる未来にそなえよ」の著者ピーター・ディアマンディス氏が自身のブログで、ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)のスタートアップParadromics社を絶賛している。
BCIの領域では、イーロン・マスク氏率いるNeuralinkが有名だが、ディアマンディス氏は「ParadromicsがNeuralinkの何年も先を行っている」と語っている。
Bloomberg通信の報道などによると、Paradromicsの技術では、6つの小型モジュールを体内に埋め込む。それぞれのモジュールはプラチナム・イリジウム・マイクロワイヤで繋がっており、4つのモジュールの1600個のデータポイントから送られてきた電気信号が5つ目のモジュールに集約され、5つ目のモジュールから胸に埋め込まれた6つ目のモジュールに一括送信される。胸のモジュールは電源と記録、計算、無線通信などの機能を持っており、体外のスマートフォンやコンピューターと通信する仕組みになっている。モジュールは1cm四方の超小型で、皮膚の下に埋め込まれていることが分からない程度のものだという。
ディアマンディス氏によるとParadromicsの技術の最大の特長は、その拡張性。ヒツジを使った実験では3万個の電極からの信号の記録に成功しているという。
他社のシステムでは搭載される電極の数が限定されるが、Paradromicsは目的によってモジュールの数を増やすことができるという。
人体への実験は2023年前半の実施を目標に研究開発を進めており、ParadromicsのCEOのMatt Angle氏は、人間の脳とクラウドが高速ネットワークで繋がる時代が2020年代にはやってくる、と語っているという。
BCIは、もちろん医療目的でも大きな成果を出すだろうが、医療以外でも瞑想が上達したり、記憶力や計算力が増すなどのメリットが予想される。またテレパシーのように言語を使わずコミュニケーションを取れるようになったり、頭の中で思い浮かべるだけでgoogle検索できるようになるかもしれない。
本当にそんな時代があと数年で来るのだろうか。「AI2041」の著者カイフ・リー氏は、脳神経科学はまだまだ分からないことが多く、医療目的以外のBCIの利用が一般化するのはかなり先のことになるだろうと予測しているのだが・・・。

 

アフリカのDXに中国が全面支援

通信インフラからデータセンター、fintechアプリまで、中国製技術がアフリカ諸国に次々と採用されている。
最先端技術の開発競争では米国のほうが中国よりも少し先を進んでいるのかもしれないけど、少し前の技術をコスパよく提供することにおいては中国のほうが圧倒的に上手。なのでアフリカに採用されるのだと思う。
科学の基礎研究に関しては最先端技術が有効だけど、社会に役立つのは結局コスパのいい技術。世界経済においてアフリカがどの程度重要なマーケットになるのかはまだ分からないけど、アフリカの経済成長が続けば、中国は今後大きな影響力を手にする可能性がある。

 

イギリスで新生児ゲノム計画

新生児全員にゲノム解析をする計画が英国で進められている。まずは政府がゲノム解析のための企業を立ち上げ、新生児のゲノム解析を希望する10万から20万組の親を募集する計画。
新生児のゲノムを解析することで、子供の疾患の早期予防が可能になる上に、医療の発展に大きく寄与できるとしている。
一方でプライバシーなどの倫理的問題があるので、慎重に進める必要がある。
中国でも同様の計画が進められているので、今後先進国で同様の取り組みが進められる可能性があると思う。
個人的には、すべての技術は諸刃の剣で、危険ではあるものの、科学技術は基本的には前進させるべきだし、前進するしかないと思う。でもそのためには人類が精神的にもっと成長しないといけないんだろうな。原子力自体はすばらしい技術なんだろうけど、人類が精神的に未熟な段階で爆弾に使ったので悲惨な事態を招いたんだろう。
人類って精神的に成長するのかな。これからいろんな技術が次々と登場してくるだろうから、人類が成長しないのなら技術はストップさせたほうがいいかも知れない。まずは人類を精神的に成長させるための技術が先に出てくる必要があるのかも。

 

リモート勤務の長期化で相互信頼が低下

直接会う機会が少なくなってきたので、従業員同士の信頼関係が低下しているという調査結果が幾つか出ているらしい。社会の信頼関係が低下すると、GDPが1%ほど減少するという研究結果もある。相手を信頼できないので、余計な手順や技術で安心を担保しないといけないから。
個人的にはリモート勤務は大賛成だけど、信頼が低下するのは確かに問題。チームビルディングのための社内キャンプとかが活発になっていくんだろうか。

 

米国防総省がUFOを調査する部署を設立

一般的にUFOって言葉は、2つの意味で使われている。①は宇宙からきた飛行物体、②は確認できていない飛行物体。鳥かも知れないし、敵国の飛行機かもしれない。確認できないので、未確認飛行物体(UFO)と呼んでいる。
ちょっと前も「米軍がUFOの存在を認め、写真を公開した」って大騒ぎしていた人がいるけど、その人は①の意味で受け止めているのだろうけど、米軍は②の意味で言ってる。米軍は昔から②の意味でUFOという言葉を使ってるし、それは何も変わっていない。宇宙から来た乗り物が存在するって発表したわけじゃない。
今回のニュースもそう。

21世紀の敵国攻撃はテロよりフェイクニュース

日本語未訳のベストセラー「AI2041」の著者のカイフ・リー氏は、21世紀の国際紛争の手法は、核兵器やミサイルではなく、フェイクニュース、殺人ドローンになると予測する。特に、より安価に相手国にダメージを与える手法として、フェイクニュースが選ばれているという。
フェイクニュースで国内世論が二つに割れれば、外国への干渉が手薄になる。報復の可能性のある正面切っての戦争やテロに比べれば、効果が高いわけだ。
2016年の米大統領選の際には、ロシアなどがフェイクニュース工場と呼ばれる仕組みで、トランプ氏に有利なフェイクニュースを流し続けたとされる。またヨーロッパの過疎地に拠点を置き、村人たちを雇用してフェイクニュースを量産していたケースも見つかっており、現場の様子を英BBC放送などがレポートしている。
いったんフェイクニュースが作られれば、拡散はSNSのメカニズムが勝手に担ってくれる。ユーザーは自分の主張より少しだけ過激な表現の記事のタイトルのリンクをクリックする傾向があり、アクセス増を目的関数に定めているSNSのアルゴリズムは、少しずつ少しずつユーザーの主張を過激な方向に導いていくのだという。実際、ある研究によると、FacebookやYouTubeのアルゴリズムの影響で、ユーザーの主張は先鋭的になっていく傾向があるという調査結果が出ている。
まだそうした報道を見かけたわけではないが、反ワクチン派の極端な陰謀論の普及もフェイクニュースの仕業なのだろうか?

AIによる監視でアブダビが世界一安全な街に

ある機関の調査でアブダビが、中東とアフリカの中で一番安全な都市に選ばれた。また今年1月にはNubeoというサイトのアンケート調査でサハラ、ドバイと並んでアブダビが世界一安全な街に選ばれている。
市内の85%の交通インフラをAIによって監視するプロジェクトが3年前から始まっているが、それが功を奏しているらしい。
アブダビ警察によると、何千ものカメラやセンサーを市内に設置。何十万個ものデータポイントからの情報が警察に送られてくるという。また登録されている25万台以上の車両の活動もモニターされ続けているらしい。
過去の事件事故のデータや、交通渋滞、危険運転のデータなどを基に、警察がパトロールする場所はAIが提案。その日の天候によって市内の制限速度もAIが決定し、道路標識で表示したり、ドライバーにメールしたりするという。過去に危険な運転をしたドライバーの動きもAIが監視するらしい。
僕の友人たちによると、シンガポールやロンドン、シアトルなども街中に監視カメラが多数設置されているらしい。北京在住の友人は町中に多数設置された監視カメラのおかげで治安がとてもよくなったと語っている。
以前中国での監視カメラの多数設置を、監視社会として批判的に報じる西側メディアの記事を何本か見たが、最近になって世界中で同じよう監視体制が広がってきていて、もはや誰も批判しないのかも。

米が中国への量子コンピュータ技術の輸出を禁止

軍事利用と暗号解読の恐れがあるから、らしい。量子コンピュータが完成すれば、ブロックチェーンやビットコインを含む、今われわれが使っている暗号技術の大半が破られるらしい。

確かイーサリアムか何かの暗号通貨って、量子コンピューターの登場を見越した新バージョンを出したけど、バージョンアップしていない人が半分くらいいるらしい。そんな記事をどこかで読んだ。早くバージョンアップしないと、暗号通過の資産を奪われるかも。
それにしても量子コンピュータによる暗号解読って、まだ少し先のように思ってたんだけど、着実にその日が近づいているんだね。



ベーシックインカムで21世紀に新たなルネサンス

コミュニティ会員向けの講演のためにカイフ・リー著「AI2041」を読み返していたら、多くの人の仕事がなくなるベーシックインカム時代に、アートに取り組む人が増える、という予測があった。生きがいを求めて、あるいは自分の中のクリエイティビティを表現するため、もしくは社会に何かを訴えるために、音楽、演劇、絵画、彫刻などで自分を表現するようになる、というのだ。カイフ・リー氏はその社会現象を、新しいルネサンス、と呼ぶ。
中世のルネサンスでは、人間とは、人間の本質とは、という問いに対して、芸術という形で多くの人が答えた。
市場経済、個人主義に疲れた人たちが、人間とは、という問いに再び挑む時代になるんだろうか。
そこから人類は精神的に成熟し進化してくのかもしれない。やはり精神的進化の時代に向かっているんだろうな。
著者
湯川鶴章

AI新聞 編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。